予防医学とエコ問題

12月10日の新聞でネスレ日本が、製品に「ウォーターフットプリント」を記載
することを発表しました。

 「カーボンフットプリント」が製品の製造から流通、使用にいたるまでの過程で
発生する二酸化炭素量であるのに対して、「ウォーターフットプリント」は二酸化
炭素でなく、使った水の量を記載するというのです。


 ネスレ日本が販売しているカップタイプのインスタントコーヒー「ネスカフェ
クセラ」のウォーターフットプリントは一杯あたり12Lだそうです。

 たった200cc(0.2L)程度のコーヒーを飲むのに、12Lもの水を使っているという
のです。

 これはどういうことでしょうか?




 日本は食料自給率が約4割。多くを海外からの輸入に頼っています。

 海外で小麦や肉や大豆を作るには、その国で大量の水を使っていることになりま
す。

 つまり海外の大量の水を擬似的に輸入していることになります。


 この擬似的に輸入している水のことを、バーチャルウォーター(仮想水)と呼んで
います。


 環境省バーチャルウォーターサイトによれば、2005年に海外から日本に輸入さ
れたバーチャルウォーター量は、約800億m3にもなります。
 http://www.env.go.jp/water/virtual_water/

 一人一日あたりに換算すると、1,800リットルにもなるのです。

 1日の家庭の実際の水の使用量がおおよそ1,000リットルですから、その量の多さ
に驚きます。

 環境省のサイトには、農産物ごとにバーチャルウォーターを示す「仮想水計算
機」という簡易計算機があります。
 http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html

 代表的なものを挙げると、

  牛肉     100g 2,060リットル
  パン     1枚   96リットル
  とうもろこし 1本   87リットル
  オレンジ   1個  141リットル
  パイナップル 1個  752リットル
  コーヒー   1杯  210リットル

 などとなっています。

 牛や豚は、水を消費して成長する農産物を食べていますから、それだけバーチャ
ルウォーターも多くなります。

 食物連鎖のピラミッドの上に行けば行くほど、一食あたりの水消費量も増えると
いうことです。

 ここに人間のバーチャルウォーターを入れれば、もっと多くなるでしょう(笑)


 ネスレカップコーヒー1杯12リットルの計算とは桁が違うのですが、ネスレはそ
れだけ水消費を減らした原料を使っているのかもしれません。



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